2018/07/31
梅干しの土用干し Dried Umeboshi in the sunshine of midsummer
都会暮らしの醍醐味は、おカネを使って消費を楽しむこと。
一方の田舎暮らしは、できるだけ自作。自分でやる。
節約、とも違うのです。
結果的にはそうなるのでしょうが、せっかく自然に囲まれて暮らせるのだから、生き方も自然でありたいもの。
他人にやってもらえば、仕上がりはきれいです。
ただし出来上がったものを受け取るだけの喜びに終始します。
しかし、自分でやればすべてのプロセスが見えて来るのです。
経験も積めるでしょう。
特に食については、見知らぬ他人にその調理に入ってほしくない、というのが私の率直な気持ちです。
信頼できる職人なら100%信用して我が口に入れられますが、工場のどこぞの作業員がやっている事など、つゆも油断できないものです。
そんな不安が感じられるなら、いっそのこと自分でやるほうが精神衛生上よろしいのかなと!
だから梅も自分で有機栽培し収穫し、自分で選んだ塩で漬けこみます。
味噌も自分で樽を選び、豆も塩も麹も素性のはっきりしたものを選ぶ。
これで不味けりゃ自分だけが食べれば良いだけの話。
美味しかったらお客にも出せるというもの。
この猛暑は当分続きそうだから、今日あたりは最高の土用干し日和です。
味噌も土用切り返し。
昔ながらの日本人の生活。
素朴な暮らし。
こんな他愛ない歳時記に最近、心底、ほっとするのですよ。
2018/06/25
らっきょう漬けを自作 Home made shallots pickles
福井県はらっきょう生産高が都道府県別ランキングで第5位!
福井県内でも特に三国町の三里浜砂丘陵地が有名です。
三里浜丘陵地はうちの農家民宿からすぐのところです。
高校時代、このらっきょう畑が広がる道路を私はぜいぜい息を切らしながら自転車通学したものでした。
らっきょうは私の大好物ですが、小売されているらっきょうの酢漬けは、いわゆる漬け物の中では非常に高価です。
小さならっきょうが一粒20円ほど。
その理由が、自作してみて分かりました。
こりゃ、大変だわ!手間が!!
今は亡き母が元気な頃は、栽培から酢漬けまで彼女一人でやっていたものでした。
母を偲んで、今日は人生初体験の「らっきょう酢漬け」に挑戦。
友人のAさんに、三里浜のらっきょう農家から泥付きのラッキョウを3キロ調達してもらいました。
らっきょうを私に手渡しながらAさん、「大変やよ~。らっきょう切り。半日仕事やよ。がんばって~」
確かに!
約2時間半。腰痛に悲鳴をあげながらも、私は一人せっせとらっきょう切りに励みます。
いやあ、大変だわ。
母親の顔が思い浮かびます。
「しょうちゃん、何や、今日はらっきょうか。
根元、あまり切り過ぎると中抜けするざ」
「へえへえ」
私は苦笑しながらその声に何とも言えない幸せな気分に浸っていたのです。
工場製らっきょう酢漬けは精製塩と白砂糖が使われているため、漬け酢は自家製でやります。
砂糖の代わりに私はみりんとはちみつ。
梅雨が明けた頃に塩漬けが完了し、お盆には甘酢漬けが食べられるでしょうか。
母の墓前に供えられるかな。
さて、らっきょうの薬効は。
らっきょうはすごい!
平安の古から「畑の薬」として重宝されてきた優れモノです。
以下、「良好倶楽部記事」より引用:
★らっきょうの栄養には、ジアリルスルフィドという成分が含まれている。
ジアリルスルフィドとは硫酸化合物の一種で、発がん性物質の解毒作用、活性酸素の除去、がん細胞を死滅させるなどの働きや効能がある。
また、らっきょうの栄養の中には胃がんの原因であるピロリ菌を撃退するフラボノイドや、抗酸化作用を持つサポニンなど、ガンの予防と抑制に効果的な成分が多く含まれている。
まさに、らっきょうは畑の薬の名に相応しい、栄養や効能がぎっしり詰まった食品なのだ。
らっきょうには、硫化アリルの一種であるアリシンと呼ばれる栄養が含まれている。
らっきょう独特の香り成分で、同じくユリ科のにんにくやネギなどにも含まれている栄養。
アリシンは疲労回復に欠かせないビタミンB1の吸収を高めるとともに、炭水化物の代謝を促してエネルギーの生成をサポートする効能がある。
アリシンとビタミンB1が結合することで、アリチアミンという成分に変化し、体内に長時間留まることができるため、疲労回復作用を持続させることができる。
血小板の凝集を抑えて血栓を予防。
ジアリルスルフィドは、解毒作用や活性酸素の除去だけでなく、血液の凝固を抑える効能もありますが、アリシンにも血栓を防ぐ作用がある。
この2つの成分が血液をサラサラにして血流を促進し、血液凝固に関連する動脈硬化や心臓病の予防などの効果や効能が期待できる。
2018/04/22
じゃがいもの植え付け - Planted Potatoes in a Neighboring Village
標高200mの里山で、じゃがいもの植え付け体験!一畝オーナーに!
平家の落人部落だったのではないか、と思われるくらいに渓谷深く分け入ったところに、高須町はあります。
戸数34軒。うちの村の9軒よりははるかに多い!
標高のため昼夜の温度差が大きく野菜全般おしなべてとても美味しく育つのですね。
今日(4-21)に男爵イモの種イモ植え付けをしました。
一畝15メートルは裕にあります。上手く行けば30キロは収穫できるとか。
作業はあっという間に終わり。
初夏の陽気の薫風に吹かれながら棚田を眺め、山あいのすがすがしい気で汚れきった我が心身を浄化してきました。
2018/04/02
筍の初掘り - The First Harvest of bamboo Shoots
筍の初掘り!
今年は頑丈な柵がイノシシを寄せ付けません。
柵の外に生えている筍はイノシシに全部掘り返されて食べ尽くされています!
イノシシは筍の、特に根っこの部分が大好き。
昨日・今日の雨で明日からは、まさに雨後のタケノコ状態になるでしょう!
文字通り、「旬の山菜」の筍。
春の味覚をしばらく楽しみたいものです。
2018/02/22
「げんげ」を食べる Ate 'Genge', a very local fish
げんげ。
福井ではミズベコ、ミズウオとも言う。
全身がゼラチン質に包まれた白身魚である。
日本海沿岸ではこの冬の時季、底引き網漁で蟹を獲るのだがその網に入ってくるのがこのゲンゲだ。
蟹漁の邪魔者として、「下の下」、なまって「げんげ」と言う可哀想なあだ名を付けられ、多くは捨てられたり、漁師の賄いに食べられたりしてきた。
とにかく傷みやすいので長距離輸送がかなわない。
だからつい最近まで地元から出ることがなかったのである。
しかし、このプルプルとしたゼラチンの舌触りの心地よさと全く癖の無い淡白な白身は、お吸い物や煮物にすると最高の美味の一品になる。
夕方、なじみの魚屋に寄ったら、このげんげを発見。
お吸い物にしていただいた。美味~~!